眠れない時の対処法|今夜すぐできる7つのことと、やってはいけないこと
眠れない夜に布団の中でできること、起きたほうがいいタイミング、翌日の整え方を、厚生労働省の睡眠ガイドとe-ヘルスネットをもとに解説。受診の目安もまとめました。

時計を見るたびに、残りの睡眠時間を計算してしまう。「早く寝なきゃ」と思うほど、目がさえていく。そんな夜は、とても長く感じます。
最初にお伝えしたいのは、眠れない夜はめずらしいことではない、ということです。厚生労働省のe-ヘルスネットによると、心配ごとや試験の前日、旅先などで眠れなくなるのは誰にでもあることで、多くの場合は数日から数週間のうちにまた眠れるようになります。今夜できることを、順番に見ていきましょう。

日本では4人に1人が「眠りで休めていない」
国民健康・栄養調査では、「ここ1ヶ月、睡眠で休養がとれている」と答えた20歳以上の人の割合(年齢調整値)が、2012年の83.7%から2023年には73.1%まで下がりました。休めていないと感じている人は、4人に1人以上いることになります。また2023年の調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性38.5%、女性43.6%でした。
| 調査年 | 睡眠で休養がとれている人(年齢調整値) |
|---|---|
| 2009年 | 80.6% |
| 2012年 | 83.7% |
| 2014年 | 78.3% |
| 2016年 | 79.1% |
| 2018年 | 76.6% |
| 2022年 | 77.7% |
| 2023年 | 73.1% |
出典:厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」。なお2024年の調査は集計方法が変わり(全国補正値)、睡眠で休養がとれている人は79.6%、20〜59歳では73.0%でした。
眠れない夜があなただけのものではないと知るだけでも、少し肩の力が抜けるはずです。
今夜すぐできる7つのこと
1. 時計を見えない場所に向ける
時刻を確かめるたびに、「あと4時間しか眠れない」という計算が始まり、体は緊張します。時計やスマートフォンは手の届かない場所に置き、文字盤を反対に向けましょう。
2. 吐く息を長くする呼吸を、1〜2分
4秒で鼻から吸い、6秒かけて口からゆっくり吐きます。吐く息を長くすると、体がゆるむ方向に向かいやすくなります。数をかぞえることそのものが、頭の中のおしゃべりから注意をそらしてくれます。息を止める練習が苦しくない人は、4-7-8呼吸法も試してみてください。
3. 気になっていることを紙に書き出す
明日やることが頭の中をぐるぐる回っているなら、枕元のメモに書き出します。アメリカの研究では、寝る前の5分間に「これからやることリスト」をできるだけ具体的に書いた人は、「終わったことリスト」を書いた人より早く眠りにつきました(Scullin ほか、2018年)。書いた紙は「明日の自分に預けた」と思って閉じましょう。
4. 15〜20分たっても眠れなければ、一度布団から出る
e-ヘルスネットは、眠れないまま寝床で悶々としていると不安や緊張が増し、ますます目がさえてしまうと説明しています。「どうせいつかは眠くなる。眠くなるまで起きていよう」くらいに割り切ると、かえってうまくいくことが多いそうです。時計は見ないので、「しばらくたった」と感じたら、で大丈夫です。
5. 薄暗い明かりで、たいくつなことをする
布団を出たら、明るすぎない照明の下で、刺激の少ないことをします。紙の本を数ページ、ぬるめの白湯、ゆっくりしたストレッチ。スマートフォンの強い光は、眠りをうながすホルモン(メラトニン)の分泌をおさえるため、避けたほうが安心です(睡眠ガイド2023)。
6. 考えごとの代わりに、耳に「行き先」を与える
頭の中の考えを止めようとすると、かえって考えてしまいます。代わりに、雨の音や、ゆっくりしたお話に耳を向けてみましょう。起伏の少ないお話は、「次はどうなるんだろう」と身構えずに聴けるので、考えごとから注意をやさしく引き離してくれます。音の選び方は睡眠用BGM・自然音の選び方、お話については寝る前の瞑想で紹介しています。
7. 眠くなってから布団に戻る
まぶたが重くなったり、あくびが出たりしたら布団に戻ります。眠気がこないうちに戻ると、「布団に入る=眠れない場所」という結びつきが強くなってしまいます。
やってはいけないこと
| ついやってしまうこと | なぜ避けたいか | 代わりに |
|---|---|---|
| 寝酒 | 寝つきはよく感じても効果は短く、深い眠りが減って明け方に目覚めやすくなる(e-ヘルスネット) | 白湯やノンカフェインの温かい飲み物 |
| ベッドでスマホを見続ける | 画面の光が体内時計を遅らせ、寝つきを妨げる(睡眠ガイド2023) | 音声だけを流して画面は消す |
| 「早く寝なきゃ」と頑張る | 焦りが緊張を生み、目がさえる | 「横になって休めているだけで十分」と考える |
| 翌朝ずっと寝ている | 体内時計がずれ、次の夜も眠りにくくなる | いつもと同じ時刻に起きて朝日を浴びる |
| 夕方に長い昼寝 | 夜の眠気が弱まる | 眠い時は午後3時前に30分以内の昼寝 |
| 夜のカフェイン | 覚醒作用があり、トイレで目覚めることも増える | 夕方以降はノンカフェインに |
眠れない夜が続く「不眠恐怖」の悪循環
眠れない日が続くと、「今夜もまた眠れないのでは」と布団に入る前から緊張するようになります。e-ヘルスネットは、この「不眠恐怖」が、本来は一時的で終わるはずだった不眠を長引かせる背景にあると説明しています。
この悪循環をほどくコツは、眠りを「がんばって手に入れるもの」から「自然にやってくるもの」へ戻すことです。
- 眠れなくても、横になって目を閉じているだけで体は休まっています。
- 前の夜の眠りに関係なく、朝はいつもの時刻に起き、日中はなるべく活動的に過ごします。
- 寝る時間を決めて守るより、起きる時間をそろえることを優先します。e-ヘルスネットの言葉を借りると、「早寝早起き」ではなく「早起きが早寝につながる」のです。
翌日の整え方
| 時間帯 | すること | 理由 |
|---|---|---|
| 朝 | いつもの時刻に起き、カーテンを開けて朝日を浴びる | 体内時計がリセットされ、夜に眠気がきやすくなる |
| 日中 | なるべく外の光を浴び、軽く体を動かす | 日中の光が夜のメラトニンを増やす(睡眠ガイド2023) |
| 午後 | 眠い時は午後3時前に30分以内の昼寝 | 脳の疲れをとりつつ、夜の眠りを守る |
| 夕方以降 | カフェインとお酒を控える | 夜の覚醒と、明け方の目覚めを防ぐ |
| 寝る1〜2時間前 | ぬるめのお風呂、明かりを落とす | 体温の変化と暗さが眠りの準備になる |
受診を考えたい目安
e-ヘルスネットによると、夜の不眠と日中の不調(だるさ、集中できない、気分の落ち込みなど)がどちらもある時に不眠症と診断され、それが週3日以上、3ヶ月以上続く場合は慢性不眠症とされます。次のような時は、まずかかりつけ医に相談してください。
- 眠れない夜と日中の不調が、週に何度も、何週間も続いている
- いびきが大きい、寝ている間に呼吸が止まっていると言われた
- 脚がむずむずして眠れない
- 気分の落ち込みや、何をしても楽しくない状態が続いている
病院で眠れないことを相談するだけでも、不眠への恐怖がやわらぐとe-ヘルスネットは書いています。夜につらい気持ちがあふれて誰かと話したい時は、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間)などの相談窓口もあります。
CalmDepthでできること

眠れない夜のために、CalmDepthには次のような道具があります。
| 眠れない夜の場面 | CalmDepthの道具 |
|---|---|
| 頭の中がにぎやかで、布団に入る気になれない | Calm Now(1.7〜3.5分)、ブリージーの呼吸(4-7-8呼吸法、4-6呼吸など) |
| 布団に入ったけれど眠れない | スリーピーとおやすみ:起伏の少ないお話が、音楽へゆっくりとけていく21の世界 |
| 音だけがいい | 雨、水、森、焚き火など2,055種のサウンドと、スリープミュージック |
| 誰かに話したい | AIの友だちカーミー(日本語で話せます) |
| 夜中に目が覚めた | もう一度眠る(7.5〜11.4分) |
CalmDepthは近日公開予定です。音声ガイドは英語版から公開し、日本語の音声を順次追加します。サウンドとスリープミュージックは言葉を使わないので、最初からそのまま使えます。
よくある質問
Q. 眠れない時は、目を閉じて横になっているだけでも意味がありますか?
A. はい。眠れなくても、横になって静かにしているだけで体は休まっています。そう考えるだけで焦りがやわらぎ、結果として眠りやすくなる人も多くいます。ただし、長く悶々とするようなら一度布団から出ましょう。
Q. 眠れない時、何分で布団から出ればいいですか?
A. 時計を見ずに、「しばらくたっても眠れない」と感じたら出る、くらいの目安で十分です。眠気が戻ってきたら布団に戻ります。
Q. 市販の睡眠改善薬を使ってもいいですか?
A. e-ヘルスネットによると、ドラッグストアの睡眠改善薬はアレルギーの薬の眠気を利用したもので、短期間の使用に限られます。眠れない状態が続く時は、医師に相談してください。
Q. 寝る前の瞑想は効果がありますか?
A. 慢性的な不眠のある人を対象にした研究で、瞑想プログラムを受けた人は夜中に起きている時間が大きく減りました。詳しくは寝る前の瞑想で紹介しています。
参考にした情報
厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」(三島和夫、秋田大学)、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、国民健康・栄養調査(令和5年、令和6年)、Scullin ほか(Journal of Experimental Psychology: General、2018年)。このページは一般的な情報で、診断や治療の代わりにはなりません。




